春霞の日本海を望む 放山バックカントリースキー

実施日:2025年3月20~23日
山 域:頚城山系
参加者:中安

性懲りもなく、ひとりでふらっと三泊四日のスキー山行に出掛ける。ベースはいつもの京都府立大学山岳会の山小屋だ。最近、バックカントリースキーばかりで、滑りが雑になってきたので、初日はゲレンデで丁寧に滑ることにした。
初日は、白馬47ウィンタースポーツパークに営業前の早朝に到着する。チケット売り場が開くのを待ち、運行前のゴンドラに並ぶ。こんな経験初めてだ。整備されたゲレンデに一番乗りで滑る。快感だ。あまけに、この時期には珍しいパウダースノーだ。
しかし、体力は半日しかもたず、高い一日券を買ったにもかかわらず、午後1時にはゲレンデをあとにする。府大小屋は深い雪に埋もれていた。例年より1メートルは積雪量が多い。背負子に荷物を付けてのラッセルは辛い。小屋は完全に埋まっていた。こんな状況は未だかつて見たことがない。今年は遅くまでスキーが楽しめそうだ。
二日目は放山へバックカントリースキーだ。小屋から車で1時間半弱でシャルマン火打スキー場に着く。風が強い。リフト1本でゲレンデトップ、ここからバックカントリースキーの世界だ。不明瞭なトレースはあるが人影はない。風は収まった。気温が上がり始めて、昨日のパウダースノーが腐ってきた。ブナ林を縫うようにして山頂を目指す。
放山山頂(1189m)を過ぎてひとつ先のピークまで足を延ばす。ここからの方が、眺めが良いのだ。雪庇が発達しているので移動には要注意だ。
私一人だけでピークを占領する。期待していた日本海は春霞でよく見えない。火打山や焼山もおぼろげだ。テルモスから熱いコーヒーをコップに注ぎ、贅沢なひと時を過ごす。
さあ、シールを剥がしいよいよスキー滑降だ。残念ながら雪が重たくて軽やかにターンができない。ボーゲンとシュテムで難所を切り抜ける。地形が複雑なので、滑降ルートを見極めるのが難しい。間違えると窪地にはまって脱出不可能となる。
休憩1回で、ゲレンデに戻る。スキーだと下りはあっけなく終わってしまう。しかし、下りの方が体力を消耗する。太ももがパンパンだ。ゲレンデでは早く下りたい一心でフォームはバラバラだ。
スキー場からマリンドリーム能生へ向かう。目当てはベニズワイガニだ。幸運にも、ホウボウの刺身も入手した。今夜はひとりで贅沢な宴を催そう。
翌朝、予想どおり全身筋肉痛で起きれない。遅い昼食後、小屋から栂池高原スキー場鐘の鳴る丘ゲレンデまでスキー散策とする。いつもはスキーを脱いで渡渉に苦労する沢も、今回は完全なスノーブリッジとなっており、難なく通過できた。ゲレンデを滑る元気はなかったので、そのまま引き返す。ワイルドな林間滑降は、それはそれなりに楽しかった。小屋でまた寝る。
(中安)


 

2025年03月20日