笹山(黒河内岳)

実施日:2025年5月4~5日
山 域:白根南嶺
参加者:高柳、他一名

初めてGWを山梨で過ごすことになった。亜高山帯をゆっくり歩きたくて奥秩父縦走を考えたが、笹山に誘われたのでこちらに行くことにした。あまり一人で行く気がしない山だったから、この際便乗しようという魂胆である。2022年、北岳から笹山までの縦走をしようとしたが、台風を避けて大門沢で降りた経緯があって、気になる山だった。
奈良田から吊り橋を渡り、登山道に入る。最初はスギ植林内の急斜面を十九折の鉄パイプの手すりがついた道に沿って上る。発電施設からあとは尾根をひたすら歩くだけだ。見事なツガの木立がある。恩賜林である北側斜面はカラマツ植林、南側はミズナラを主体とした落葉広葉樹林がしばらく続く。
Co.1650あたりから尾根上にコメツガが現れる。Co.1932地点はコメツガ林内の平場で幕営もできるだろう。Co.2000を超えた辺りからシラビソが増えてくる。Co.2200辺りの崩落地上で展望が開け、黒木の尾根の奥からすくっと顔を出した、真白な北岳の鋭峰を望むことができた。この辺りから残雪が増えてくる。
Co.2300で窪地状の広い幕営適地が現れた(写真)。地面の露出した場所を選んでテントを張った。遠くで聞こえる風の音、鳥の囀り、タンネの葉音だけだ。本を読み絵を描き散歩して過ごす。日没前に就寝。鳳凰の反省から薄いシュラフを持ってきて二重にしたが、むしろ暑いくらいだった。

タンネのなかのテンバ
2:30に起床し、3:00過ぎに山頂へ出発した。ヘッドライトをつけて暗闇を歩くが、トレースもテープもしっかりあって迷うことはない。緩斜面のオオシラビソが徐々に薄くなり笹山南峰に到着した。山頂付近で幕営をしていた人がいたようである。そのまま通過し、笹山北峰(黒河内岳)へ至る。強いというほどではないが、風が吹きつけてくる中、日の出を待つ。白根南嶺の広い尾根が、どっしりとした姿を現した。
太陽が輪郭をなくした頃に下山を開始した。ダケカンバとカラマツが混じるまばらなオオシラビソ・シラビソ林である。踏み抜きもなく快調にテンバまで戻り、朝食をとった。
1時間ほど休んだあと下山を開始する。ひたすら降りるだけだ。4人ほどとすれ違った。いずれも日帰りだろう。なんのこともなく発電施設に至り、スギ植林を駆け降りて終了。白根館で湯につかって汗を流した。
(高柳)


 

2025年05月04日