3年ぶり開催、第75回富士登山競走~羽田隼人選手、見事完走!~
実施日:2022年7月29日(金)
山 域:富士山
目 的:登山競走
大会参加選手:羽田隼人
支援スタッフ:中安正議、小林善孝、安藤良宏、渡辺直樹
行 程:6:50五合目駐車場→7:30富士山安全指導センター→8:20七合目トモエ館→9:12東洋館→9:50太子館→10:20白雲荘→11:12本八合目富士山ホテル→11:25下江戸屋→11:26吉田口須走口分岐12:50→13:25七合目トイレ→14:32五合目駐車場
コロナ禍のため2020年と2021年は中止となっていた富士登山競走が、3年ぶりに開催された。御坂山岳会会員の羽田隼人が選手として山頂コースに参加し、また、大会実行委員会の協力要請により、当会からは4名の会員がサポートスタッフとして参加した。スタッフの業務は、八合目の吉田口須走口分岐点での選手の誘導と登下山道のパトロールだ。
中安が運転する軽貨物車に4人が同乗し、五合目を目指してスバルラインを登る。快晴で気温が高い。今日はあまり良いタイムは出ないと思った。大会記録が狙えるのはスタート地点の市役所から曇っている時だ。直射日光は体力を消耗する。
五合目で検温を受けるが、4人とも異常なしだ。検温済みと書かれたストラップをザックに付ける。今年から選手にヘルメットの着用を義務付けているので、我々もヘルメットを装着する。創立72周年記念誌を安藤と渡辺が各人2冊、小林と中安が各人1冊ザックにしまって登る。それぞれ安全指導センター、七合目トモエ館、東洋館、太子館、白雲荘、富士山ホテルに謹呈した。
鳥居荘でトップの選手に追い抜かれる。気が付くとガスに巻かれて視界は効かなくなっていた。次々と霧の中から選手が現れて、そして我々を追い越していく。「選手が来まーす!」と一般登山者に協力を呼び掛けて、選手の走路を確保する。
本八合目富士山ホテルに着くと、関門閉鎖に引っかかった選手でごった返していた。そこから下山道へトラバースして、吉田口須走口分岐点の配置に着く。体力を使い果たし意識朦朧とした選手が時々間違えて須走口へ下りてしまうことがあるので、そうならないように選手を誘導するのが我々の任務だ。やはり数人、そういう選手がいた。
雨が降って来たので雨具を着ける。すると上から我々を見て満面の笑みを浮かべた選手が駆け下りて来るではないか。我が会のホープ、羽田隼人選手だ。制限タイムギリギリの4時間26分32秒で見事完走したという。今回の完走率は44.9パーセント、素晴らしい。その神業的関門通過には恐れ入った。登山道のどこで彼に抜かれたのか気が付かなかった。
彼を見送って暫くし、下って来る選手の姿が見えなくなった頃、山頂に配備していた市役所の職員も下りて来たので、下山を開始する。さて、生理現象には為す術もなく、七合目公衆トイレまで駆け下る。
五合目に下りて来て、小林さんのおごりで食べたメロンパンとアイスコーヒーがとても旨かった。気が付くと、積乱雲を舐めるように夏の日差しが滝のように降り注いでいた。そうだ、富士登山競走が終わらなければ、私の夏は始まらないのだ。
(中安正議)