北アルプス裏銀座縦走~仲間と天候に恵まれて~

実施日:2022年7月24~27日
山 域:北アルプス
目 的:縦走
参加者:勝俣和子、(別動隊)内山章、内山道子
行 程:[7月24日]8:45七倉山荘―(タクシー)→9;00高瀬ダム登山口→ブナ立尾根→14:00烏帽子小屋→15:00烏帽子岳→16:00烏帽子小屋(テント泊)[7月25日]4:30烏帽子小屋→三ツ岳→7:30野口五郎岳小屋→8:00野口五郎岳→真砂岳→10:00竹村新道分岐→11:00水晶小屋→ワリモ岳→13:30鷲羽岳→15:30三俣山荘(泊)※(別動隊)竹村新道→湯俣→高瀬ダム→七倉山荘[7月26日]6:00三俣山荘→6:30三俣蓮華岳→双六岳→9:30双六小屋→弓折岳→13:40鏡平山荘(泊)[7月27日]6:00鏡平山荘→小池新道→わさび平小屋→10:00新穂高温泉

朝4時50分、内山さん夫婦があきる野市から富士吉田市の我が家まで迎えに来てくれて出発。七倉山荘に着き、そこからタクシーで高瀬ダム登山口に9時に着く。いよいよ日本三大急登の一つであるブナ立尾根の5時間半の登りが始まる。
登山口から烏帽子小屋までは1から12までの番号が表示されていて、その番号が減ることと、可憐な花と時々吹く涼風に励まされ、14時に烏帽子小屋に着く。小屋の前には一面のイワギキョウとコマクサのお花畑が広がっていて、ここまでの疲れを癒してくれた。そして視線を遠方に向けると赤牛岳とその後方に薬師岳が勇姿を見せる。
小屋でテント泊の受け付けを済ませ、テント場まで5分程下る。テント設営後、荷物を軽くして烏帽子岳へ向かう。烏帽子岳往復の1時間半が思った以上にきつかった。山頂はまさに烏帽子の名のとおり鋭い岩の三角錐で、2~3人がやっと立てる狭さだ。
写真を撮り、クサリ場を慎重に下り、平らな所まで来て一休みして小屋に向かう。小屋に着き、小屋の前のベンチで景色とお花畑を眺めながら、今日一日の健闘を祝い、3人はピールで乾杯した後、17時30分にテント場へ下る。
翌朝3時半に起床。テント撤収後、4時30分に三ツ岳に向けて出発。今日は私も別動隊もロングコースになるため、朝食は歩きながらの行動食とする。前方には、三ツ岳に向かう登山者のヘッドランプの明かりの列が、蛍のように光って見える。
1ピッチで三ツ岳に着き、10分ほど休んで、軽く行動食を摂る。稜線はガスっていて風もある。時々ガスが切れると、眼下にエメラルドグリーンの高瀬ダムの湖面が美しい。この辺りから野口五郎岳までの稜線歩きが素晴らしい。コマクサとイワギキョウが満開だ。コマクサは稜線一面がピンクに染まるほどで、燕岳の比ではなかった。先を急がなければならないと思いつつも、つい足が止まって見惚れてしまう。
出発して3時間で野口五郎小屋に着く。風が強く寒いため小屋の軒下で小休止して、野口五郎岳山頂に向かう。
山頂に着くが相変わらずガスでなかなか山が姿を見せてくれない。写真だけ撮り、真砂岳、竹村新道分岐へ向かう。10時に分岐に到着し、別動隊の内山さん夫婦とはお別れだ。内山さん夫婦は竹村新道を下り湯俣を過ぎ高瀬ダムまでの林道を歩き、ここからさらに8時間近い下山となる。
ここから私は三日間の一人旅となる。三俣山荘まであと5時間の行程だ。水晶小屋への最後のきつい登りを終え、11時に水晶小屋に着き休憩する。ガスがなければここからの眺望は素晴らしいのにな~。でも、時たま、ガスが晴れてこれから歩く稜線やここまで歩いて来た稜線や槍・穂高の稜線も顔を出してくれた。
30分ほど休憩を取り、ワリモ岳分岐を経て鷲羽岳に13時30分に到着する。今日の宿泊予定の三俣山荘は携帯の電波が通じないとのことで、唯一電波が通じる鷲羽岳山頂で、内山さんや自宅に無事到着の連絡を入れる。山頂からは遥か下の緑の中に三俣山荘の赤い屋根がポツンと見える。小屋まで1時間の急な下りである。小屋が見える安心感から、山頂で40分ほどのんびり休む。そして急な砂礫の道を下り、15時30分、三俣山荘に着く。朝4時30分発の11時間の長い一日が終わる。
三俣山荘は快適な山小屋だった。3人は入れるスペースに私一人だけ。ゆっくりくつろぐことができた。夕食後、喫茶室で槍ヶ岳を見ながら飲むサイフォンで淹れたコーヒーは格別の美味しさだった。
3日目は行程も短いし、天気も言うことなしの晴天。ゆっくり小屋を6時に出発。青空と緑の這松と雪渓の白さとお花畑と……、その中を三俣蓮華岳へ向かう。贅沢な時間。振り向けば、昨日歩いて来た鷲羽岳が大きく聳える。三俣蓮華岳山頂からは360度、山、山、山が青空に映える。
三俣蓮華岳を後にして双六岳へ向かう。双六岳に向かう稜線がまた、お花畑の宝庫である。広い双六岳の山頂を過ぎて双六小屋へ下る。9時30分に双六小屋に着く。時間はまだ早いし、このまま稜線からの景色と別れるのも寂しい気がして、1時間ほど小屋前のテラスでのんびりとした時を過ごす。そして10時30分、鏡平山荘に向けて下山する。
13時40分、鏡平山荘に着く。今日は青空のうえ、お花畑に囲まれながらのアルプスの夏山の醍醐味を充分に味わえた一日だった。
4日目、夜半から雨となり、朝起きても雨だった。でも、今日は新穂高まで下るだけだったのであまり気にはならなかった。
6時、鏡平山荘を出発。1時間歩いたら雨が上がったので雨具を脱ぐ。ワサビ平小屋手前でまた雨が降り出し、また雨具を着ける。そんなことをしながら10時に新穂高温泉に到着する。ここで、無事下山の報告を入れ、中崎山荘の温泉で汗を流した後、松本行きのバスに乗る。松本インター前のバス停に主人が迎えに来てくれて、帰路に着いた。16時30分、帰宅。
今秋の山行は途中まで内山さん夫妻が同行してくれたのと、天候にも恵まれたのとで、思い出深い楽しい山行となった。内山章さん、道子さん、ありがとうございました。
(勝俣和子)

2022年07月24日