11月・月例山行 八ヶ岳・杣添尾根
実施日:2023年11月26日
山 域:八ヶ岳
参加者:内山章(CL)、榑林秀倫、齊藤
雪を期待しての月例山行「杣添尾根」の募集に参加表明のあったのは、私のほか渡辺徹臣さん、榑林さんの2名であった。徹臣さんは事情で残念ながらキャンセルになったため榑林さんと二人での計画となった。ネット情報により積雪が確認できたので予定通り冬支度を整え会に計画書を提出した。当日の前夜20時頃、LINEを確認すると齊藤さんから参加したい旨の連絡が入っていた。朝のうちのことらしい、どうもスマホの調子が悪く見落としていた。榑林さんからは「今月入会したばかりで是非参加して欲しい逸材」とのコメントが添えられていた。あわてて連絡を取り合い急遽登山計画書のメンバーを追加訂正した。
当日、朝5時過ぎに甲府南インター付近に集合し内山車で現地へ向かう。長坂インターを降り、野辺山付近にさしかかると電光掲示板の気温は0℃であった。コンビニに寄り車を降りるとさほど寒さは感じなかったが風があり雲が流れていた。海ノ口自然郷の横岳登山口駐車場まで路面凍結なども無く順調に移動できた。それにしてもシカが多い。立派な角を持つ個体も何頭か車道に現れた。駐車場には先客が1台停まっていた。ここでは雲は消えており好天が臨まれた。
さて、新人の齊藤さん、何と前々日に悪沢岳から降りてきたばかりと言う。そのような兵だとは知らず念には念を入れて新人のためと思いロープを用意してきたのだが、不要な荷は車に残置する事とした。
6:55登山開始、別荘地帯の樹林の中の遊歩道を進む。時折車道と交錯し、7:23東屋のある南八ヶ岳林道を跨いで山に入る。ここまでほとんど雪は無い。出発して1時間ほどで少しずつ雪を踏むようになり、若干凍結部分もあった。
2262m標高点付近で杣添尾根に乗ると完全な積雪となる。榑林さんからスパッツ着用の申し出があったが、新雪ではなくズボンの裾で十分ガードできていたので私はまだ着けないこととした。榑林さんはそれに倣いやはりまだ着けないこととしたようだが何か意地があるらしい。2500mを超えると所々視界が開け、雲上の富士山が見事だ。いよいよ眼前に横岳が迫ってきたところで雪質も良くなりスパッツを装着する。程なく展望テラス。陽光に照らされた素晴らしい景観、齊藤さんはアイゼンを着ける。主稜線が近づくにつれて傾斜が増し、ラッセルとはいかないが先頭を交代しながら高度を上げる。ところが齊藤さんが前に出ると、強い。本当に悪沢から降りたばかりなのか? 口には出せなかったがこちらは必死でした。
10:13主稜線に出てまず南方向へすぐの三叉峰へ向かい、次に北へ奥ノ院に向かった。稜線に雪はあまり無く、齊藤さんはアイゼンが邪魔になったようある。鉄はしごを2箇所通過すると目指す奥ノ院、先頭を齊藤さんに譲り10:45登頂。意外と穏やかで大休止とする。硫黄岳方向からの単独行者、本日唯一人の遭遇者があった。振り返ると三叉峰にもう1名の登山者が見えた。この素晴らしい雪山で、人気の八ヶ岳で、不思議と別世界のように静かだった。我々はというと、果たしてスパッツに防水透湿性素材を使う必要性があるのか、などなど議論したのであった。
下山は同ルートを辿ったので不安も無く、時間的にも余裕があった。高度を下げた樹林の中は溶けた雪が凍結しスリップしやすい。しかし、アイゼンを着けるのは煩わしいし潜るような雪ではない。榑林さんから早めにスパッツを脱ぐことの提案があった。ガムテープで補修し年季の入ったスパッツをいたわっての事だ。うすうす感じてはいたが榑林さんはスパッツに対しての深い造詣? 費用対効果についての不満?執着心? んー、何かあるらしい。
そうこうしながらもスピーディーに13:39下山完了した。下山報告を済ませた開放感で甲斐大泉温泉パノラマの湯を堪能したのである。
(内山 章)