第77回富士登山競走スタッフに参加して

実施日:2024年7月26日(金)
山 域:富士山
目 的:富士登山競走スタッフ
参加者:中安、柏木、金丸、青野

 

4時35分。まだ日の出前の薄暗いセブンイレブンに到着。4:50分待ち合わせだが少し早く着いたので、駐車場の車輪止めに腰掛け、夜明けの空を堪能していた。すると突如目の前にかなりの勢いで車が現れ、轢かれるかと思った。中安さんだった。刺激的なスタートを切ったその日は快晴で、富士山を数時間で駆け上がる超人を間近で見られることを楽しみに中安さんの車に乗り込んだ。
今回の任務は昨年度同様、八合目の吉田口須走口の分岐点で、選手が間違えて須走口へ下りてしまわないように吉田口へ誘導すること。選手より早く目的地に着きスタンバイをしないとならない! と、内心間に合うかドキドキしながら登山をスタートした。植物の名前を教えてもらいながら楽しく登っていった。
順調に歩みを進めていたが、なんと八合目最初の太子館でトップの選手が我々を追い越していった。風のように走りぬけていった姿は圧巻であった。
また、この日の一番の思い出は白雲荘にて起こった。白雲荘では山小屋の若い女性スタッフたちがチアリーディングの如く、選手を名前で呼びながら応援していた。そこにいた一般の登山客もみんな一致団結して選手たちを応援し、そこはまるで競技場か球場のような一体感があった。そんな中、隣に座っていた金丸さんが突如立ち上がり、徐に下の登山道に向かって叫んだ。「中安さん頑張れ~!!!! 中安さーんっ!!」すると、自然と周りから「中安さん頑張れ~」と金丸さんの声援に続いて若い女性の声援が! みな、選手の応援と勘違いをして、一緒に中安さんに声援を送ってくれた。意図せず白雲荘にいた人々から中安さんを応援する声が響いたのだが、本当に面白くて大爆笑してしまった。黄色い声援が中安さんに届いていたのか確認はしなかったが、中安さんと金丸さんのやり取りは漫才の如く面白かった。
無時に八合目の分岐点に着いてからは、終始選手への声掛けに徹した。困難に立ち向かい挑戦する姿は本当に素敵で感動的であった。その姿にとても刺激をもらい、大変貴重な経験となった。
下山開始が例年より遅くなったので、暗くなる前に! 雨が降る前に! と黙々と下山した。つらい下山を乗り越え五合目をあとにしてスバルラインを下る最中、車中のカーステレオがまた疲れた身体を癒してくれた。中安さんがいつもこのCD(涼宮ハルヒの憂鬱)を聞いていると伺い、失礼だとは思いながら笑わずにはいられなかった。とにかく癒された。そして中安さんに信玄アイスをご馳走していただき、美味しくペロリとたいらげた。心地よい冷たさと甘みが身体にしみ渡った。
私もこれからも困難に立ち向かい色々なことに挑戦していこう! と思えた、初めての富士登山競走スタッフ。また来年も参加しようと思えた、そんな素敵な経験となった。
(青野恵子)

2024年07月26日