中山プチ登山
実施日:2024年9月8日
山 域:北杜市白州町・中山
参加者:中安正議
行 程:武川町農産物直売センター→10:15中山峠→10:34中山山頂展望台(888m)11:18→11:46中山峠→白州テラスキャンプ場→道の駅はくしゅう→シャルマンワイン→むかわの湯
昨年の12月2日だった。翌日に作家樋口明雄氏の講演会の司会進行を控えている中、八ヶ岳広河原沢へアイスクライミングに行って左手首を骨折した。この苦い経験を教訓として、重要なイベントの前は山へ行かないことにしている。9月14日は息子の結婚式である。今月は大人しくしていようと思った。しかし、一ヶ月間山へ行かない訳にもいかないので、片道1時間弱の簡単な山、北杜市武川町の中山(標高888m)へ行くことにした。これは登山ではない。プチ登山である。
行く途中、武川町農産物直売センターに立ち寄って、昼食用に武川米のお握りを買う。ここのお握りは美味しいので人気があり、入荷するとすぐに売り切れる。今回も行列に並ぶが、なんとか手に入れることができた。
中山の西側の登山口である中山峠までは、幅員は狭いが舗装された林道だ。中山峠の路側には車3台ほど駐車できるスペースがある。車を止めて登山口に歩みを進めると、林道の法面に赤いものが見える。草を掻き分けてみると、タマゴタケの群落である。タマゴタケは7月が旬だが、今年は残暑が厳しいのでいまだ発生が止まないようだ。
登山道に入ると、いきなり急登だ。ロープも張られている。下りでは必要になるかもしれない。アカマツ、コナラ、ナツツバキの混交林の中を登山道は直登する。雑キノコがいっぱい出ている。アカヤマドリ、アシベニイグチ、クロカワ、シロオニタケ、セイタカイグチ、タヌキノチャブクロなどなど、見つけ出したらきりがない。しかし、残念ながらタマゴタケ以外に食べられるキノコは見当たらない。
熊注意の看板が複数枚掲げられている。山に熊がいるのは当たり前だ。以前、この周辺で鹿のくくり罠に錯誤捕獲された熊を保護して山奥に放獣してやった記憶がよみがえる。でも、今日は大丈夫だ。クマのいる気配もなく臭いもしない。
傾斜が緩くなり立木がなくなり草藪を掻き分けながら進むと、前方に自然とは不釣り合いの鉄塔が見える。山頂に建つ展望台だ。展望台の下は避難小屋になっている。階段を昇って最上部に立つと、そこからは素晴らしい景色が眺望できる。
山頂部は雲に隠れてはいるが、甲斐駒ヶ岳、八ヶ岳、茅ヶ岳など、360度の大展望に度肝を抜かれる。白州町や武川町のジオラマのような田園風景も美しい。ちょっとしか歩かないのにこの展望を味わえたことで、今日はずいぶん得をしたような気分になる。汗だくのシャツがそよ風に吹かれて心地よい。
お握りを頬張りながら長い休憩を取る。この素晴らしい景色を眺めながら食う武川米のお握りは実に旨い。おかずはいらない。この米の甘みだけで十分だ。
下山後、中山峠から台ケ原方面に下る。途中、作家の樋口明雄氏がアルバイトしている白州テラスキャンプ場を表敬訪問し、雑談する。
その後、白州町のシャルマンワインに立ち寄り、私のお気に入りのシャルマンベリーA&フラン(赤)と甲州&シャルドネ(白)を買う。やや甘口のフルーティーな味の極上ワインだ。甲斐駒を描いたラベルが、また、いいのである。
今日の仕上げは、むかわの湯だ。大きな浴槽は休日なのに空いていて快適だ。次回は東側の登山口から中山へ登ってみようと思う。こんな感じで毎日が過ごせればいいなあと、ちょっと思った。
(中安)