檜峯神社から大栃山へ
実施日:2024年10月6日(日)
山 域:御坂山系
参加者:中安
行 程:10:16檜峯神社→10:36トビス峠→11:36大栃山(1415m)12:02→12:37トビス峠→12:53檜峯神社
9月中旬から週末になると毎週天気が悪くなる。山に行けない。これでは運動不足で糖尿病がますます悪化してしまう。何とか今日は午後から晴れそうだ。満を持して、以前から気になっていた大栃山へ登ることにした。
国道137号から檜峯神社の看板に導かれて神座山林道に入り、コンクリート路面工の施された道を5キロメートルほど登ると檜峯神社に到着する。名前のとおり峯まで続く檜の美林の中を林道は蛇行する。
薬王水の滴る橋を渡り、トビス峠への登山道を登る。クリの幼齢木には獣害防除用の保護ネットが施工されているが半分以上枯れており、あまり効果がないようだ。トビス峠から林相が明瞭に分かれた尾根を登る。右側のヒノキ林が檜峯神社有林で左側の赤松林が旧県行造林地だ。リニア用の送電線の鉄塔敷用地だろうか。社有林が大面積に伐採されている箇所があった。
右足が痺れてきた。十年前から患っている堆甲板ヘルニアの症状だ。足裏が地面に設置する感覚がない。ヘルニアの痺れは波が打ち寄せるように現れて、そのうち潮が引くように消えていく。じきによくなると思っていたが、痺れは徐々に膝裏から大腿部まで昇ってくる。これが臀部まで昇って来ると、かなりヤバい。堆甲板ヘルニアの痛みとは、単なる腰痛ではない。体幹の筋肉が縦に引き裂かれるような、電気が奔って突っ張るような痛みだ。痺れはなんと表現しよう。そう、自分の肛門がどこにあるのかわからなくなるような痺れとでも表現しようか。
大栃山の頂上が、霧に煙る樹間から見えて来た。辿り着いた頂上は広葉樹林に覆われているが、晴れていれば展望はありそうだ。しかし、今日は小雨の降る中、空は鈍色に包まれていた。山頂で食う握り飯が旨い。日本人はやはり米を喰わねばダメだ。昨日の夕食は焼きそばだったことを思い出した。
帰途は一気に檜峯神社まで下る。時々薄日が差してきた。檜峯神社には小澤一仙が掘った龍の彫刻が残されている。小澤一仙とは、幕末の動乱期、西郷隆盛らの陰謀により偽官軍の汚名を着せられて、山崎刑場(現在の甲府市酒折)にて処刑された草莽の志士である。一仙の無念を偲びながら、拝殿に手を合わせる。歴史のひとコマが社殿から漂ってきた。
さて、これまであまり意識はしてこなかったが、帰宅して数えてみると、大栃山は山梨百名山第85座めの登頂となる。人生の終着点に向かって、焦らず急がずじっくりと味わいながら、百名山目指してひとつずつ頂を極めて行きたい。
(中安)