思い立ったら黒川鶏冠山

実施日:2024年10月14日(月)
山 域:奥秩父山系
参加者:中安
行 程:8:03柳沢峠市営駐車場→8:54六本木峠→9:10新横手山峠(林道)→9:27横手山峠→10;03黒川山→10:26鶏冠神社奥宮10:50→11:23横手山峠→11:40新横手山峠(林道)→12:00六本木峠→12:25展望台→12:57ブナ坂→13:04柳沢口→13:08柳沢峠市営駐車場

やはり山は天気の好い日に登った方がいい。山梨百名山第86座目の登山は黒川鶏冠山1710mだ。標高1472mの柳沢峠の市営駐車場からあまり標高差がないので心の準備を必要とせず、前日思い立って行くにはお手頃の山だ。
国道411号を横断して登山道に入る。黒川鶏冠山一帯は東京水道水源林だ。森の中の平坦な遊歩道を進む。周りは手入れの行き届いたカラマツ人工林だ。シカ侵入防止柵の入口の紐を解いて林内へ入る。さすがにシカの食害はほとんど見られない。樹冠の隙間から青空は見えるが、鬱蒼とした林内にはほとんど日が差し込まない。林床を覆う苔が蒼く輝いている。登山道にはクリの実とドングリが堆積している。今年は、山の木の実は豊作らしい。越冬を控えたツキノワグマたちは、さぞ安堵していることだろう。


横手山峠から本格的な登りとなる。時々鶏冠山の頂が見える。道標のある平坦地に到着する。道標には鶏冠山(黒川山)と書いてあるが、どう見てもここは山頂ではない。北方向にさらに登ると、黒川山頂の標柱があった。広葉樹林に囲まれて展望はない。しかし、鶏冠山は見当たらない。ここより高い山も周囲には見当たらない。道標地点に戻り思案する。すると、鶏冠神社という小さな道標が目に付いた。道もあるようだ。鞍部を過ぎると急な道は岩場に変貌する。赤テープに導かれ、木に掴りながら岩稜を登ると、断崖絶壁の頂に祠があった。鶏冠神社奥宮である。山梨百名山の標柱もある。ここが鶏冠山に間違いない。南方向には富士山も見える。なんとなく達成感があった。先客の登山者が一人いて、渓流釣り談議で盛り上がる。明るい太陽の下で食う弁当がまた旨い。
下山は、もと来た道を帰る。梅ノ木尾根から道を変えて展望台に向かい、ブナ坂経由で柳沢口へ出る。せせらぎの音に耳を澄ませながら歩いていると、登山というよりも散策に来た気分だ。
帰途、大菩薩の湯に浸かり休憩室で昼寝をする。窓の向こうの真っ青な秋空が眩しい。屋外から吹き込む秋の爽やかな風が郷愁を孕んで、快かった。
(中安)

 

2024年10月14日